わかりやすいローテクノロジー

オンバスのテンシル構造は、自然の法則(引張力)を使った木造軸組住宅用の靭性補強技術です.在来工法の耐力壁に併設することで粘り強さが増します

犬の引っ張りっこがヒントです
引っ張りっこ

引張力とは「物の両側を外側に引っ張る力」のことです
ひもが子供と犬に引っ張られると、ひもに「引っ張られまい」と抵抗する力が働きます
小さく引っ張られると小さく抵抗、大きく引っ張られると大きく抵抗します
この自然の法則を使った大きく傾くほど抵抗する技術が「テンシル構造」です
“テンシル”とはラテン語のtensile、引っ張りの意味です

このテンシル構造が、想定外の大地震や台風で家が大きく傾こうとした時、抵抗します

技術の概要

テンシル構造は「斜状に張った線材の張力を用いた軸組用耐力壁」です.あらかじめ枠体を製作し真壁で留め付けます
線材に生じる引張応力を集めることで「面」としての荷重(耐力)を発現します(下図左)

軸組住宅の代表的な耐力壁に「筋交い」があります
筋交いは金物をきちんと設置することで大きな耐力を発現しますが、応力が接合箇所一点に集中するため、ここが破損すると一気に耐力を失います
これに対してテンシル構造は、多数の線材により構成されているので、1本に不具合が生じても、残りの線材の引張力によって「面」の耐力を維持します.「抜け」や「踏み外し」も起きません

面材との比較
代表的な耐力壁「「面材」とも比較します
面材は釘をきちんと設置することで大きな耐力を発現しますが、せん断応力が常に釘に掛かるため、1/100ラジアンを超えると徐々に釘頭が変形を始めます
これに対してテンシル構造は、双方向の線材が独立しているので、ねじには片方向のせん断応力しか掛からず,ねじに掛かるストレスは半分です.パンチングアウトもありません

シンプルな構造

構造
テンシル構造は「線材をねじで留めるだけ」のシンプルな構造です
真壁仕様で仕上げ大壁となります
テンシル構造は、壁はもとより屋根、小屋裏、床などの開口部にも設置できます

テンシル構造の重さ

面当たりの重さを構造用合板と比較すると以下のようです.同サイズの構造用合板よりも若干軽量です

材質 規格 面の大きさ 面の重さ
構造用合板 厚さ9ミリ 3尺×8尺 約 15.8kg
亜鉛メッキ鉄線
(枠体付き)
φ3.2、30本
ねじ 60本
3尺×9尺
(H=2706mm)
約 2.5kg(線材とねじ)
(約13.3kg)