大変形に強く、在来工法を補完する

テンシル構造は、在来工法の耐力壁と比較して層間変形角の増加に伴い大きな耐力を発現します

テンシル構造との比較

青グラフは、代表的な在来工法による耐力壁の荷重変形(※1)を示しています
層間変形角が1/50ラジアンを超えるとダメージを受けるものが現れ、1/25ラジアンを越えると耐力が下がるものが増加し、この大変形領域での耐力維持は”課題”とされていました

赤グラフが、オンバスのテンシル構造の荷重変形(※2)です
テンシル構造の力学特性は、引張力を活用するので、層間変形角が小さな(傾きが小さい)ときは引張力も小さく、大きな引張力が発生する大変形時に大きな耐力を発現する、在来工法とは”真逆の性能”です
この特性を活かして筋交いや構造用合板など在来工法に併設することで建築物の粘り強さを増すことが出来ます
併設することでもしもの時、在来工法の耐力壁が耐力を損失した後も傾きを抑え、住宅の倒壊を防ぎ、生命や財産を守るストッパー役になるでしょう

※1:2012年改訂版「木造住宅の耐震診断と補強方法」例題編・資料編(一般財団法人日本建築防災協会、国土交通大臣指定耐震改修支援センター)pp.148 〜pp.151よりデータを引用しオンバスがグラフ化したもの
※2:(一財)建材試験センター西日本試験所における面内せん断試験による結果

1/10rad.まで耐力が続く”驚異の粘り強さ”

金属線材(SWMGH-3 φ3.2)を用いたテンシル構造について、面内せん断試験で得られた「荷重ー変形角」図は次のようです
なお、試験はすべて(一財)建材試験センター西日本試験所にて行いました
F23
試験では、層間変形角1/15ラジアンの正負で耐力を発現後、最大1/9.6ラジアンまで加力しても耐力を増加・維持しました。このときの最大荷重は14.9kNです。グラフを見ると正負ほぼ同形できれいな曲線を描いており、層間変形角の増加に沿って引張力が増加、耐力していることがわかります

1/9.6rad時 試験後
層間変位角 1/9.6rad.で間柱が先に降伏しました 試験後、正負ゼロの位置に戻した状況です。軸材料に大きな変形は見当たりません

併設の強さ:役割分担で高い耐力を維持

このテンシル構造を、筋交い(45×90)に併設した面内せん断試験の結果を次図に示します
筋交いは「押し」の状態で破壊を迎えるよう配置しました。筋交い用金物は一般的なもので壁倍率2相当です。試験は1/50ラジアンまで正負繰り返し加力後、1/10ラジアンまで一気に加力し、破壊状況を確認しました

F23S
赤グラフが「筋交い有りのテンシル構造」です。青グラフが前述のテンシル構造だけの傾向です
筋交いとの併設では、初期剛性を筋交いが担当し耐力を増加させていきます。そして1/15ラジアンで筋交いが壊れ始め、徐々に耐力が下がりますが、耐力の低下は青グラフの位置で留まり、筋交い崩壊後、テンシル構造が耐力壁の耐力を維持することが確認できました。

このようにテンシル構造は在来工法の耐力壁と補完関係にあり、併設することで耐力壁の粘り強さが大きく向上します

試験後
層間変位角 1/10rad.試験終了時、筋交いは座屈破壊しましたが、テンシル構造が耐力を維持しています

 

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